筋肉をゆるめることと、ねじれを取ることは同じ?ゆるめ過ぎるとダメ?

筋肉をゆるめることと、ねじれを取ることは同じですか?というご質問を頂きましたので、そのお話をします。 

私Norikoは、結果が同じになったとしてもアプローチが同じではないと思っています。

私が、それぞれの調整法に持つイメージは以下です。

筋肉をゆるめることについて 
筋肉が緊張していると骨があらぬ方向に引っ張られますが、その緊張した筋肉をゆるめると引っ張る力が弱まり骨が良い位置に戻りバランスが整うというイメージです。 

ねじれを取ることについて 
日常動作の誤りで関節がニュートラルな状態に戻れないバランスになっているため、方向を改めることでバランスが変わり筋肉の緊張が自然に緩和し体が整うというイメージです。 

筋肉をゆるめ過ぎるとダメ?

筋肉をゆるめ過ぎてはいけないというお話を聞かれたことがあるという方もおられましたので、そのことについての私の考えを書きます。

バランスの悪い姿勢にはいくつかパターンがあり、筋肉の状態が異なるから歪み方も異なるわけですが、それは日常動作のクセの違いとも言えます。
 
悪い姿勢であっても、悪いながらもバランスを取っています。 
筋肉を調整することは、そのバランスを崩すことでもあるため、良いバランス感覚をお持ちでない人の場合、調整後にその変化に順応できず、むしろひずんでうまく立てないこともあります。

立てなくなった方のお話

以前、ご結婚前にある骨盤調整の施術を受けたことがあるという方が、講座に参加されたことがあるのですが、その施術を受け施術台から立ち上がった瞬間に、ひずんでいく感覚が全身を走り、そのまま床に崩れ落ちて立てなくなり、1か月休職したとおっしゃっていました。 
 
おそらく、全身のバランスを取らずに骨盤周辺の筋肉をゆるめて、姿勢についてのレクチャー無しで立たせてしまったのだと思われます。 

他にも、ある身体操作法の体験レッスンに参加されて、しなやかさが足りない箇所をゆるめる目的で腕を引っ張られたことで、全身がガクガクとひずみ出し、歩けなくなってしまった経験があるというご受講生もおられます。 
 
その方は現在パーソナルレッスンをご受講中ですが、歪みが強く左右差のある回外足でいらしたので、腕を引っ張られた体側にある筋肉がいきなり伸展させられ、足のバランスと均衡が取れなくなったのではないかと推測されます。 

いずれも、全身のバランスを取りながら調整できる施術者や指導者の方のところに行かれていたら、そのようなことは無かったかもしれませんので、それらの手技自体を私は否定するつもりはありません。 

根本原因ではない箇所をゆるめ過ぎると…

過去記事で、「たった一歩で骨盤が歪む足運び」をされていたことが根本原因で、背骨がねじれ不調が起きていたご受講生Oさんのお話を書きました。 

背骨がねじれていたわけですから、背骨周辺の筋肉は緊張していたことは間違いありません。

ですがもし、Oさんが、足運びのクセで背骨が歪んでいるという現状を知らずに、根本原因ではない背骨周辺の筋肉の緊張を取るために、背中をゆるめることを念入りに行うとどうなるでしょうか。 
ゆるめた後に一歩歩くごとに体がひずんでいくことになるのです。
 
すぐに体が元の状態に戻ってしまった…で済めば良いのですが、ねじれる動作のクセが強い方なら、前述の方々の様に、立ち上がった瞬間・歩き出した瞬間に全身がひずんで動けなくなることだって考えられるわけです。 

筋肉をゆるめることも、ねじれを取ることも、どのような動作により筋肉が緊張してしまったのか、調整した後の体をどう扱うのかなど、その説明なく行うことは危険だと考えます。

なので、筋肉をゆるめること、ねじれを取ることだけで体作りを行おうとせずに、全身のバランスを取りながら調整していただきたく思います。

また、Oさんの写真は、感覚のズレを修正し良い動きを再現して頂く練習をした日の変化であり、この日は筋肉をゆるめるセルフケアも、ねじれを取る調整も、お体を触っての姿勢作りのサポートも行っていません。

それは、日常動作の改善だけでも体が変わるということを物語っています。

下の記事でご紹介した方のお体の変化も同じです。

日常動作で体が変わる

筋トレ・ストレッチ・セルフケア・・・と、何らかのエクササイズをしなければ体が変わらないと思い込まれている方がたくさんおられ、「もともと何をされていたのですか?ヨガですか?ピラティスですか?」と尋ねられることがよくありますが、私Norikoの体はそういった特別な動きをするのではなく日常動作の改善で作ってきました。

他にも、「Noriko先生は、こっそり筋トレやヨガをされているのでは?」「食事制限をされているのでは?」「先生はもともとそういう体型なんですよね?」「先生はもとから不調なんて無いんですよね?」と尋ねられたこともあります。

20年前から行っている体作りであっても、まだまだ、"そんなことだけで変わるわけがない"と信じて頂けないことが多いですが、日常動作をより良くしてきたことで、筋バランスが勝手に変わっていき、以前の私とは姿かたちが別人のようになり、不調が起きなくなったのです。

毎日トレーニングやセルフケアなど何か続けないと体が元に戻り、不調が起きたり体型が崩れてしまう方は、日常動作のクセに問題がある状態なのです。

1日の内の動作で、最も繰り返しているのは日常の何でもない動作"そんなこと"です。

"そんなこと"で体は歪んでいくのです。
"そんなこと"を侮ってはいけないのです。

だから私は、動きを細かく拝見できるパーソナルレッスンでは動作改善をメインにレッスンしており、グループ講座でのセルフねじれ調整法の練習時も取り組む前の体勢からお伝えするようにしています。

基本ができての応用

より良く生きていくために最低限必要な動き(日常動作)を磨いていけば、不調も体型悪化も起きないことを自分の体で実感し、自然の創造物はすごく良くできているなと感じています。

私は、この日常動作で体作りができることを証明する立場にあるので、筋トレやスポーツをしていませんが、それらをしてはいけないなどと極論を言うつもりは決してありません。

○◯するな!』と、極論で禁止をすると苦行になります。
何をやっても大丈夫な体になって、やりたいことをやるために体作りをしなければ、楽しくありませんものね!

日常動作が様々な動きの基本で、日常動作ではない特別な動き(筋トレやスポーツなど)は応用です。

基本ができてから応用に入るとすんなりと体が動き故障しにくいですし、バランスの良い筋肉が育ちますが、基本がうまくいかないまま応用に入るとすんなり動けずパフォーマンスが悪くなるだけでなく、無理をすると故障してしまうので、そちらを危惧しているのです。

同様に、筋肉をゆるめる、ねじれを取るといったセルフ調整法にしても、日常動作のクセの影響で体勢が悪いまま取り組もうとすると良い結果が出ないことがあるということです。

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