腕を大きく振って歩く。これって良いこと?

正しい歩き方』とされる動きの中に、『腕を後ろに大きく振る』という項目をよく見かけますね。

果たして、これは良いことでしょうか?

腕をのびのび振るほどに体が歪む人

私も腕を後ろに振ると良いとお伝えしていますが、実は、この動きを意識的に頑張ることで、かえって体を歪ませてしまう方がおられます。

どのような方かというと、背骨ねじれがある方です。

背骨ねじれがあると、腕をのびのび振った時に、左右の腕や肩甲骨の動きがアンバランスになります。

アンバランスに動かしているつもりは無いのに、背骨ねじれがそうさせてしまうのです。

のびのび体を動かすことはとても良いことですし、腕を後ろに振ると脚が前に出しやすくなるのは事実ですが

理論的には正しいことであっても、背骨ねじれがあると、無意識に左右アンバランスな動きを繰り返し、骨盤を歪ませてしまいます。

すると、脚を真っ直ぐ前に出せないバランスなのに前に足を出す‥という矛盾のある動きをするため、ねじれてしまう…というように知らず知らずのうちに残念な結果に。

逆に、ねじれる動きをしていることで、骨盤歪み背骨ねじれ、左右アンバランスに腕を動かしてしまっている‥とも考えられるので、どちらが先か…ということになります。

間違えていなくても体が間違える

体を動かすための脳からの指令と体の動きの誤りにより、理論的には間違っていなくても、間違えてしまうのです。

だからと言って、動かさないようにしたり、制限をかけて動くようにしたら良いわけでもありません。

制限をかけずにのびのび動いても、体がねじれていかない歩き方』を身につけ、年を重ねても不調に悩まされないようにするには

動きのイメージと実際の体の動きとが合うように刷り込んでいく必要があります。

私はこの取り組みを、脳トレと呼んでいます。

動けなさをごまかす動作の繰り返しを絶つ

1ヶ月ほど前から、背骨ねじれを解消させるパーソナルレッスンの中で、以下のことをお体で理解して頂く取り組みをしています。

  1. 動けなさごまかすような動作を日常的に無意識に繰り返していること
  2. 1が、体の左右で異なっているということ

1の、動けなさをごまかすような動作の数々で体はねじれていくので、私は、受講生それぞれのお体の現状に合わせて、ごまかせないよう誘導する意地悪チェックをします。

だから、嫌でもこの事実を知ることになり、受講生の多くはショックを受けられます。

知らずに繰り返してきたことに対するショックと、動かせていないと指摘した箇所を思い通りに動かせないことに対するショックです。

動けなさの原因は、体が硬いからだとガッカリされる方もおられますが、そうではありません!

そもそも異なる動きで無意識にごまかし体を使い続けてきたのですから、動けなさの原因は、動かし方を頭も体も忘れてしまっていることにあるので脳トレが必要なのです。

脳トレで、頭でも体でも理解できてくると、年齢が高い方でも動かせるようになります。

この記事では、腕を後ろに大きく振ることを例に挙げましたが、良いとされる動き全てに言えることです。

姿勢を改善させても体の調整を試みても、首や背中の痛み腰や脚の痛みが解消しない方、特に膝下)がなかなか真っ直ぐにならない方は、前述の通り、動けなさをごまかすような動作を無意識で左右非対称に日々繰り返しているのです。

ごまかす動作の繰り返しを絶つこと無しには、スッキリとはいかないはずです。

こんな受講生がおられます。

今から1年前、腰痛が酷くて手術を受けようとされていた方です。

その方Nさんは、腰に良いと言われるありとあらゆる方法を試したけれど、良くなることはなかったそうです。

そんな中、私の記事を見つけて下さり、パーソナルレッスンの受講を決められました。

このレッスンでダメだったら諦めて手術を受けようと思っていました。」と、後から教えて頂きました。

現在は、痛みが出そうだな…と感じてもすぐにリセットできるようになり、痛くなることがほとんど無くなったそうです。

今では、「欲が出てきちゃいました!」と、お体の変化をとても楽しんでおられます。

Nさんも、動けなさをごまかすような動きを無意識で左右非対称に日々繰り返してきたことが、腰痛の原因でした。

この1年間レッスンで行ってきたことは、腰の痛みを取る調整法ではなく、まさしく脳トレなのです。

今まで試されたありとあらゆる方法が効果が無かったのではなく、お体の現状に合わせた脳トレをしていなかったから変わらなかったのだと言えます。

方法に頼っているだけでは解決しない。

これは、自分の体だけでなく、人により異なるねじれ方と日常動作との関係を、長年に渡り紐解いてきたことで、私が確信していることなのです。

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