反り腰が改善し、良くなったのに悪くなった?!
パーソナルレッスン受講生Aさんのお話です。
コロナ禍以降、私Norikoの活動が、オンライン・パーソナルレッスンがメインとなっていますので、今回もパーソナルレッスン受講生のお話になります。
反り腰が改善したAさん
下の画像は、パーソナルレッスンコース受講生Aさんのレッスン前後の写真です。
向かって左がビフォー、真ん中がアフター、向かって右が骨格のイラストです。
Aさんはスリムな方なのですが、ビフォーの姿勢は、胸よりお腹が前にポコンと突き出た反り腰でした。
レッスン後に撮影したアフターの姿勢はお腹が引っ込んでいますが、根本改善を目指して頂いているので、お腹に力を入れて凹ませるという一時的に姿勢が良さそうに見せる、ダメダメな方法はもちろん用いておりません!
骨格のイラストからもわかるように、私たちの体はお腹が突き出たバランスでは無いので、骨格を元に戻してあげるとお腹は引っ込むのです。
簡単な姿勢改善法(反り腰改善法)
お腹が前に出ないようにする、とても簡単な方法はこちらです。
①おへその辺りを手で後ろに押しながら足下を見ます。
※この時、股関節を曲げていかないようにしましょう。
②足が見えたら、その位置で顔を起こします。
このように簡単すぎる方法ほど、お体に課題がある方には難しいものです。
以下のように上手くいかない方がおられませんか?
・楽に立てない
・力抜くとまたお腹が前に突き出る
・太ももに力が入る
・足指に力が入る
・つま先が浮く
・首を起こせない
・猫背になる
・息がしづらい
Aさんも、この簡単なやり方では、良いバランスが取れませんでした。
では、そのようになってしまうのは何故でしょう?
良い姿勢が楽にキープできない理由
良い姿勢が楽にキープできない理由をお話します。
良い姿勢を心掛けていても、どうしてもお腹が前に突き出た姿勢(反り腰)になってしまう原因はこちらです。
①背骨がねじれている
②肩甲骨の位置が左右で異なる
③腕の使い方が左右で異なる
④脚の使い方が左右で異なる
⑤顎を歪ませるクセがある
⑥姿勢が崩れる呼吸の仕方をしている
※②・③・④・⑤は①の背骨がねじれる原因になります。
受講生Aさんがレッスン当日に取り組んだことは、②と③の体の勘違いに気付いて頂いた上で、それらを修正する練習です。
その結果①の背骨のねじれが取れてきたことで、反り腰が改善しました。
姿勢作りで厄介なこと
この写真は、受講生Aさんのビフォーの姿勢です。
肩甲骨の位置が左右で異なり、腕の使い方も左右で異なっていたことが原因で、背骨がねじれて反り腰になっていた時のものです。
肩の高さも骨盤の高さも揃っていて、一見問題が無さそうに見えませんか?
明らかに歪んでいる場合はわかりやすいのですが、Aさんのように、一見、背骨がねじれているように見えないことはよくあります。
このように、ねじれがあったり、肩甲骨や腕や脚など左右で動き方が異なっていても、ひっくり返らないように体が勝手にバランスを取るので何となく辻褄が合ってしまうのです。
ですが、お体の不調の出方にはしっかりと表れています。
なので、そうした事実に気づかないまま年を重ねると、その辻褄を合わせたバランスが当たり前になって、真っ直ぐの感覚がどんどん失われていき、痛みや違和感が生じた時に、体を良い状態に持っていくことが難しくなってしまうのです。
それが、姿勢作りにおいて厄介なことです。
良くなったのに悪くなった?!
レッスン後にAさんから頂いたメッセージをご紹介いたします。
良くなった点
・左側の首筋から肩にかけての張りと痛みを感じなくなった
・歩きやすい!
今まで左脚を軸にした時に、不安定で着地時間が短いと感じていた感覚が随分と減りました。
・長時間寝られるようになった。
いつも4、5時間で起きてしまっていたのが、7時間くらい寝てしまうようになりました^^
残念な点
・左手の親指に、腱鞘炎の様な痛みが出る時があります(今までありませんでした)。
右手は使い過ぎて腱鞘炎になった事があるのですが、左手は無かったのと、手の使い過ぎというほど左手では作業をしていないので、バランスの変化によるものかなと思っています。
「えっ?!悪くなってるところあるじゃない!」と、思われましたか?
全体的に良くなっているのに、悪くなってしまった箇所が出てきたのは何故か!
それには、ちゃんと理由があります。
悪くなった箇所があるのはなぜ?!
全体的に良くなっているのに、悪くなってしまった箇所が出てきた理由をお話します。
現状や方法を知っていても、日常の動きとしては落とし込めていなかったからです。
体は良も悪くもバランスを取っています。
良いバランスに変えているのに、生活の中で無意識に今までの動きをし、バランスを崩してしまったのです。
そこで、次のレッスンで、左手の痛みをどのような瞬間に感じるのか具体的に教えて頂き、それをもとに、日常的に無意識で繰り返している動きの数々の中で、誤った動きが左右それぞれにあるということを認識頂きました。
いずれも、誰もが毎日行っている日常のちょっとした動作です。
例えば、腕を上げる…などです。
動けているから良い?痛みが無ければ良い?
実際に背骨のねじれによる不調がおありで、背骨がねじれてしまう腕の使い方をされていながらも、痛みなく腕を高く上げることができると、「えっ?問題なく上げられますよ??」と首を傾げる方もおられます。
Aさんも、左手の親指が痛む以外は、腕の動きに困っていたわけではありませんでしたが、無意識に動かせていない箇所を動ける箇所で補うことを習慣的に繰り返されていたのです。
レッスン前のAさんは、スマートフォンを見る動作やズボンを穿く動作で左手が痛くなるとおっしゃっていましたが、レッスン後はどちらの動きも「痛くない!!!」ととても驚かれていました。(左手の調整をしたわけではないからです。)
若い内は何ともなかったのに、年を重ねるにつれて体が歪み、あちらこちらに痛みが出てくるのは、年だから…ではなく、『動けているから良し・痛みが出ていないから良し』と、ほんの少しの違和感を見過ごしてきたからなのです。
手と脚の連動を感じられる!左手痛くない!
日常動作を見直すレッスンを行った後に、Aさんから頂いたメッセージです。
のりこ先生、今日もありがとうございました!
あの後1時間ほど散歩したのですが、ご指摘のとおり脚がいつもより勝手に後ろにある…なので勝手に歩幅が増えるし、手を振ろうとしなくても振れる?感覚がありまして、なんだか4本足で歩いているような手と脚の連動を感じられて、めっちゃ気持ち良かったです!
そして左手、痛くないんです!
本当にありがたいです!!!!
今回の左手の痛みが出た件で、1箇所を理想的な位置に戻したり、ねじれや歪みを正しても、身体がしつこく元の癖をなんとか維持しようとして、本来とは違う何かしらのバランスを取ろうとするということが、文字通り痛いほどわかりました。
悔しいですけど、それも含めて身体の根本改善だということも実感しているので、次の変化を楽しみに過ごしていきたいと思います!
過去ブログに、姿勢や歩き方は『良くするもの』ではなく『良くなるもの』と書きましたが、ピンと来なかった方は少なくないと思います。
Aさんのメッセージに、「脚がいつもより勝手に後ろにある…なので勝手に歩幅が増えるし、手を振ろうとしなくても振れる?感覚があり、手と脚の連動を感じられた」と、書かれていましたが、
脚を後ろに(前のめりにならない)・歩幅を広げる・腕を振る・手と脚を連動させる…どれも意識されたのではなく、勝手に体が動いたということです。
Aさんは、私がお話している姿勢や歩き方は『良くするもの』ではなく『良くなるもの』ということを体で感じてくださっています。
姿勢悪化の最大の原因は?
姿勢悪化の最大の原因は
『体を歪める動作をしていることに気づいていないこと』です。
またしつこいですが、加齢や筋肉の衰えのせいではありません。
同じくしつこいですが、方法に頼っているだけでは根本改善には至りません。
こういうお話すると、『そんなの自分ではわからない』と言われてしまいそうですし、現に、パーソナルコースの受講生から『自分ではわからない』と、頻繁に言われています。
私は、自分で自分の体を紐解いて日々の生活の中で認識し修正してきましたが、子供の頃から、方法は何通りもあるという目線で物事を見たり、何らかの疑問に対して原因を探っていくことや、頭の中で立体を動かして色んな角度から見るような取り組みが好きだったから、一人でできたのだと思っています。←変わり者です。
レッスンで受講生のお体の状態を紐解いたり練習法を作る時も、そうした子供の頃からの脳の使い方が非常に役立っています。