【靴の履き方・選び方】スニーカー(ヒールロック)・パンプス
ヒールロックをご存知ですか?
上の方に穴が二つ空いているスニーカーを履かれたことがあると思います。
この穴を使った 【ヒールロック】という靴紐の結び方があるのはご存知ですか?
この記事では、ヒールロックの結び方についてご説明します。
この結び方をすると、足の甲にピッタリ合わせられるので歩きやすいですし、前滑りが原因の足のトラブルや踵が合っていないことによる靴擦れも防げます。
ただ、靴紐を結ぶ前に行っていただきたいことがあります。
非常に大切な履き方になりますので、靴を買う時にも履き方に注意してサイズを決めてください。
さらに、足のサイズの測り方や、パンプス(ハイヒール)など、足の甲を覆わない靴の選び方についてもお話しします。
足のサイズを測ってみましょう
市販の靴は、できるだけ色んな方が履けるようにと幅広に作られているものが多いです。
また、履いた瞬間に楽だと感じる靴が、実は大きめだということがよくあり、ワイズ(足囲)に合っていない靴を履いている方をよくお見受けします。
近年、足にトラブルを抱えている方が増えていますが、靴でアスファルトの上を歩くことで起きていますので、デザインだけで選ばずに、足のサイズに合う構造の良い靴を選びましょう。
サイズは、立った状態で、足長・足囲・足幅を測ります。
足長(そくちょう) | 足の踵から、最も長い足の指の先端までの長さ |
足囲(そくい) | 足の親指(母趾)と小指(小趾)の付け根の一番出っ張っている箇所をそれぞれ通る周囲の長さ |
足幅(そくふく) | 足を真上から見て一番幅が広い箇所を直線で測った長さ |
画像のように、立った時に、足趾(足の指)が曲がり力んだままになっている方は、一度椅子に座って、足趾が床にふわっと着くように手で丁寧に伸ばしてから、足を見ながらゆっくり立って測りましょう。
足趾が力んだままになってしまっていることも、足のサイズに合わない大きめの靴を履き、無意識に靴が脱げないように足趾を力ませたまま歩いたり
逆に、足のサイズに合わない小さめの靴を履き、足趾が自然に伸ばせず曲げっぱなしで歩いていたことで生じてしまったのかもしれません。
次に、靴を履いたら、靴ひもを結ぶ前に必ず行っていただきたいことをご紹介します。
忘れてはいけない踵トントン
足を靴に入れたら、まずは踵を床にトントンして靴を踵に合わせ、靴紐を結んでください。
サイズが合っている靴でも、踵に合わさずに履くと、靴ひもをきちんと締めても足首が安定しませんし、歩くと足趾の動きが妨げられてしまいます。
マジックテープで止めるタイプの靴も同じように履いてください。
ファスナーで着脱する、紐で締められないタイプの靴は注意が必要です。
踵に合わせて履いてみて足の甲が止まらないようでしたら、つま先側に敷くサイズ調整用の中敷(凹凸のない薄めのもの)を敷き調整してみてください。
この履き方は、立ったままでもできますので、これから心掛けてみてください。
また、お子様がおられる方も、お声をかけてあげてください。
捨て寸チェックも忘れずに
靴には、「捨て寸」と言って、指先の前に、1.0〜1.5cmのスペースがあります。
踵に合わせて靴を履いた状態で、この捨て寸を確保できる靴を選んでください。
今まで履いておられた靴が合っているかどうかは、スニーカーの中敷きを外してみて、中敷きについた足の型を確認してみてください。
捨て寸が確保できていない場合は、靴を買い替えましょう。
お子様の靴もぜひチェックしてください!
子供の足は大人よりも柔らかく変形しやすいので、「すぐに足が大きくなるから…」と大きめの靴を履かせたり、逆に「もったいないから…」と、小さくなった靴を履かせ続けることはやめましょう。
ヒールロック手順(ニューバランス)
①踵をトントンしてから紐を結んでいきます。
画像のように、上から紐を通していくようにすると上手くいきます。
②二つの穴のある所まで編み上げたら、一つ目の穴に下から通します。
③もう一つの穴に上から通し、輪っかを残しておきます。
輪っかの大きさは、画像ぐらいで大丈夫です。
④ここで、タグを表に出すか出さないかはお好みで!
反対側も、一つ目の穴に紐を下から通したら、もう一つの穴に上から通し輪っかを作り、タグの上・または下に通し⑤に続きます。
⑤残してあった輪っかに紐を通します。
反対側も同様に残しておいた輪っかに紐を通します。
両側、紐を通し終えたら⑥のようになります。
⑦紐を左右に引っ張り、足の甲にピッタリ合わせます。
この作業が終わるまでは、靴のかかと部分に足の踵を合わせておくことをお勧めします。
⑧ヒールロックの良い所は、紐を引っ張るのをやめてもしっかり止まっている点です。
靴ひもがほどけても安心♪
⑨靴ひもを結びます。
スニーカーの靴ひもって長いな~と感じたことはありませんか?
ヒールロックで履いたら、紐の長さは丁度良いです。
⑩二つの穴を使わずに履くと、以下のようになります。
紐が長いですね^^;
ご存知なかった方は、ぜひお試しくださいね!
続いて、パンプス(ハイヒール)など足の甲を覆わない靴の選び方についてお話します。
靴の選び方・パンプス(ハイヒール)
パンプス(ハイヒール)は、足の幅が合っていない大きい靴だと前滑りしてしまいます。
足の甲で止められない靴の場合、足の実寸よりも細めの靴を選ぶ必要があります。
実寸よりも細めに作ることを、靴の専門用語で「ころし」と言います。
まず履く前に、靴を平なところに置き、傾きが無いか確認をしたら、靴の中の土踏まずの箇所あたりを上から指でグーっと押してください。
※シャンクという芯が入っています。
押した時に、下に沈み込むものは、歩いている時に足をねじる原因になるためNGです。
※こういう靴、実際にありますよ!
それ以外にも、ヒールの高さが高過ぎたり細すぎる靴は、ただ履いて立っているだけで足にかなり負担をかけてしまうので避けましょう。
スニーカーのように踵トントンはできませんが、踵を合わせて履き捨て寸をチェックした上で、以下のことを確認してください。
- 足を持ち上げたままブラブラ振っても脱げないこと
- 歩いた時に、踵がパカパカしないこと
※しゃがんでも踵が外れない靴が理想 - 立ったまま、足趾を靴の中でごにょごにょ動かせること
続いて、靴の中敷(インソール)についてお話しします。
インソールの形違いで脚がここまで変わる
2021年に靴用矯正具(インソール)部門で特許を取得し、「バランスUPハーフインソールKIWA」という、パンプス用の姿勢・歩き方改善ハーフインソールを開発し販売しています。(意匠登録済み)
私が開発する姿勢・歩き方改善グッズは、土踏まずを押し上げる形状のものはありません。
このインソールも、母趾球と小趾球を持ち上げ骨で立つタイプのものです。
バランスUPハーフインソールKIWAの詳細はこちら
このインソールを開発した頃に、レッスン受講生にご質問をいただきました。
「土踏まずを持ち上げるタイプの滑り止めをどう思われますか?」と。
足裏アーチが低下してしまい、土踏まずが押し上げられているほうが楽だと感じる方もいらっしゃることでしょう。
ですが、土踏まずが押し上げられたまま歩くと、足裏アーチの動きが妨げられてしまうため、私はお勧めしていません。
姿勢と歩き方で足は変わっていくと思っているので、これは姿勢と歩き方の指導者としての意見です。
また、土踏まずに凸部が常に当たっている状態は足裏のセンサーが良い働きをしないと体感しているため、
土踏まずを押し上げるインソールが装着されたヒールの高さが4cm程度のパンプスを用いて、片方はそのまま、もう片方は骨で立つ「バランスUPハーフインソールKIWA」を装着し、脚の形がどのように異なるのかを検証しました。
ご覧の通り、脚の形が全く違います!
右脚を後ろに引いているのではありませんよ。
向かって右(右足)だけ、パンプスの中敷の裏に糊付けされていた土踏まずを押し上げるためのパッドを剥がし取り、骨で立つバランスUPハーフインソールKIWAを装着しました。
向かって左(左足)は土踏まずを押し上げるパッドが付いたままで、KIWAは装着していません。
パッドが付いたままの左足は、太ももが前に張り出しているのがよくわかりますね。
太ももに隠れてしまっていますが、左足は膝下も前に傾いていました。
太ももの前が張り出すということは、脚の前面に負荷がかかる立ち方になってしまっているということなので、歩き方にもちろん影響がありますし、脚が太くなる原因にもなります。
実は、この脚の変化は、美脚講座で脚のねじれを取った時の変化↓と同じなのです。
これも前滑りや足のトラブルの原因!
前滑りや足のトラブルの原因は、靴だけにあるのではなく、立ったり歩いたりしている時のバランスにもあります。
画像の向かって左の姿勢のようにお腹を突き出して立たずに、上から足が見えるか確認し(①)、そのまま頭を起こして立てるように(②)していきましょう。
いかがでしたか?ご参考になりましたら嬉しいです。
靴の選び方、靴の履き方、立ち方・歩き方をより良くし、大切な足を守ってくださいね。
宜しければ、ご存知ない方にシェアして差し上げてください。