反張膝を治す方法(筋トレ・ストレッチゼロ)

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膝の過伸展(反張膝)について

膝の過伸展反張膝)についてお話します。

膝が過伸展する反張膝(ハンチョウシツ)とは、画像のように立った時に、意に反して膝が伸びすぎて、後ろ側に反ってしまう状態のことを言います。

反張膝の原因に脚の筋力低下が挙げられますが、筋力が弱っていないはずの10代や20代でも反張膝の人がたくさんいるので、私は関節が緩いことが反張膝の主な原因だと思っています。

そして、関節が緩い関節弛緩性(カンセツシカンセイ)も、反張膝も女性に多いと言われています。

関節疾患に罹りやすいのは、やはり男性より女性なのです。

関節弛緩性については過去記事に詳しく書いています。

反張膝のある受講生が、中学生の時、先生に「変な膝の伸ばし方で立つな!」と注意されたことがあるとおっしゃっていました。

ご本人は、なぜ怒られているのかわからなかったそうです。

大人になった今でも覚えていらっしゃるので、当時は多感な時期でもあり、とても嫌な思いをされたのだろうなと想像できます。

こちらの画像は、オンライン・パーソナルレッスン受講生Yさん(40代)の写真です。

向かって左は、パーソナルレッスン受講前で、向かって右は現在です。

筋トレもストレッチも行っておらず、全身のバランスを取りながら、ねじれを取っていったことで立ち方が変わりました。

Yさんは、反り腰反張膝で、腰痛や股関節痛・脚の浮腫みに悩まれていました。
反張膝の人は反り腰は避けられないです。

反り腰反張膝ともに改善してくるにつれ、不調がかなり軽減しておられます。

こちらの画像は、オンライン・パーソナルレッスン受講生のKさん(60代)の写真です。

Yさんと同じで、筋トレもストレッチも行っておらず、全身のバランスを取りながら、ねじれを取っていったことで立ち方が変わりました。

Kさんも、反り腰反張膝で、股関節痛や脚の浮腫み、肩の痛みに悩まれていましたが、やはり反り腰反張膝ともに改善してくるにつれ、不調が出にくくなりました。

このお二人の過去の写真をご覧になりお考え下さい。
このバランスで、筋トレやストレッチを行うことについて。

意図せずして膝が過伸展してしまい良いバランスで動けないのですから、その状態のままで筋トレやストレッチを行うと、関節に負担をかけたり、筋バランスをさらに悪化させる場合もあるのです。

反張膝が改善しない理由は、筋力低下ではなく、良いバランスを体が理解していないことなので、レッスンではバランスを取る練習をメインに行っています。

Yさんは、以前より楽に動けるようになり、職場の同僚の方に「元気でいいですね。」と言われるようになったそうです。

そして、Kさんは、以前は歩くのが苦手で数百メートルでリタイアしていたのに、今は旅行に行くと連日10kmくらい歩けるようになったとおっしゃっていました。

肘の過伸展(反張肘・猿腕)とは

こちらの画像は肘が過伸展している女性の写真です。

肘が過伸展する反張肘(ハンチョウヒジ)または猿腕とは、肘を伸ばした時に意に反して伸びすぎて、後ろ側に反ってしまう状態のことを言います。

反張膝の方で、反張肘(猿腕)でもある方は少なくありません。

反張肘の方は、画像の女性のように、床に手をつく動作をした時に肘が過伸展して上手く体を支えられないため、腕立て伏せが苦手です。

ヨガなどで、こうしたポーズを取る時に、肘窩(チュウカ:肘の内側のくぼみ)を体の内側に向ける意識をするといった方法もあるようですが、あくまでも対処法であり根本改善には至りません。

受講生の中に、脚と背骨のねじれが強く首が起きにくく、反張肘猿腕)でもあった方がいるのですが、脚と背骨のねじれを改善させていき首を起こせるようになった時に、肘が過伸展しなくなっていることに気づかれました。

私たちは、足で立っているので、脚がねじれていれば骨盤が傾き、脚のねじれに左右差があれば骨盤がねじれ、骨盤が傾きねじれると肋骨が傾き背骨がねじれ、首が起きず、肩甲骨の位置も変わり肩・腕がねじれていきます。

このように、腕のねじれは脚のねじれの影響を受けてしまうので、腕だけ・上半身だけ調整しても動いたら元に戻ってしまうのです。

過伸展させない意識…ではない

反張膝の人は、足首の真上に股関節が無く前にあります。
反張肘猿腕)の人は、手首の真上に肩関節が無く後ろにあります。

だから、関節が緩い方は過伸展してしまうのです。

ここで、床から真っすぐに立っている骨格のイラストをご覧ください。
このバランスを変えずに、膝を過伸展させることはできるでしょうか?

バランス的に不可能だと思いませんか?

前述の反張膝を改善させるべく取り組んでいるYさんとKさんは、膝を伸ばさないように意識しているのではありませんよ。

膝を伸ばさないように意識すると、少し反り腰が軽減し楽になったり見た目も変わるとは思いますが、それも対処法。

パーソナルレッスンでは根本改善を目指していただいているので、あえて、「ちゃんと膝を伸ばして下さいね。」とお伝えしています。

お二人が、膝をちゃんと伸ばしても以前のように過伸展しなくなってきているのは、骨格のイラストのように、床から真っすぐに立てるようにバランスを変えているからです。

そのバランスとは、スクールを開校した18年前から言い続けている、『腰は後ろで胸は前、頭は後ろ』のバランスです。

健康のためにも将来のためにも、楽に立つことが非常に大切なので、力でコントロールして真っ直ぐ立とうとされないように、首が倒れない口の開け方もお伝えしています。

過伸展できないバランスを体で理解する!

パーソナルレッスンで行っている背骨にフォーカスするレッスンで、お体のねじれが強い方も楽に首が起こせるようになられてきたので、その応用として反張膝反張肘猿腕)改善のための練習法も新たに作ってお伝えし始めました。

背骨にフォーカスするレッスンの記事

反張膝改善のための練習法に取り組まれた、パーソナルレッスン受講生のAさんからレッスンの翌日に頂いたご感想です。

今日、新たな発見がありました。

昨日指摘して頂いた、膝の過伸展に気を付けて一連の動きをして立ってみたら、ずっと気になっていた左の大転子が引っ込んでいました!

今の私の感覚では反り腰気味に感じるのですが、お尻も太ももも膝も全然力が入っていなくて、「これで合ってるの?」って感じです。

今までの大転子が出る立ち方をすると、かなり下腹を突き出して下半身に力が入っています。

力を入れているつもりはなかったのですが、本当の脱力を知ると全く違うものですね。


過伸展させない”意識は対処法であり、”過伸展させることができない”バランスを体で理解することが根本改善法です。

レッスン翌日にご感想をくださったAさんは、その”過伸展させることができない”バランスを、「こういう感じなのか!」と、お体で理解されたのです。

生まれつき関節弛緩性の場合、関節が緩いことは変えられないかもしれません。
反張膝の人も反張肘猿腕)の人も、そうでない人に比べお体の不調が起きやすいのも事実です。

でも、床から真っすぐの、”過伸展させることができない”バランスを体で理解しさえすれば、たとえ生まれつきであってもYさん・Kさん・Aさんのように変われます。

『生まれつき関節が緩いから仕方がない…』と諦めないで頂きたくて、Yさん・Kさん・Aさんにご協力いただきこの記事を書きました。


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