膝が痛い原因は腕の使い方にもある
目次
- 姿勢を良くする方法・歩き方を良くする方法
- 当たり前になり過ぎているから…
- 右ひざ内側の痛みが取れた!だけど…
- 諦めていた腕・肩の痛みも取れた!
- 腕の痛みの原因は腕の使い方
- 腕の使い方が膝の痛みの原因にも
- 方法だけに頼らず生活動作に目を向けて
- これからの生活にとって貴重な財産(感想)
- 自分の感覚が大事なことを実感(感想)
姿勢を良くする方法・歩き方を良くする方法
姿勢を良くする方法または歩き方を良くする方法を検索すると、たくさんヒットすると思います。
今や、スマホでいつでもどこでも欲しい情報がすぐに手に入れられるので本当に便利な世の中ですね。
でも、情報を手に入れたあと、その方法をこなすことで満足してしまっていませんか?
例えば、私のレッスンでも、椅子や床に座ったままで脚や腕のねじれ調整を行うことがあり、痛みがその場で取れる方もおられますが、それをやったからと言って姿勢や歩き方が根本的に改善するわけではありません。
ねじれ調整によって筋肉の緊張が緩和し、良いバランスが取りやすい体になっただけだからです。
調整後に、元のねじれた状態に戻ってしまわないように動くことを、すぐさま生活の中で実践することが何より大切なのです。
当たり前になり過ぎているから…
下の写真は、歩いている女性の後ろ姿です。
体重が左脚に乗っている瞬間の写真ですが、左の腰が持ち上がって、膝が内側に入ってしまっています。
また、地面から右足が離れた瞬間に、踵よりもつま先が内側に入ってしまっていますね。
これは、左脚と同様の動きで足首もねじったまま歩いていることの表れです。
股関節痛や膝痛があるという受講生の大半が、このようにねじれた脚に体重をかけてしまっていることと、左右どちらかに骨盤をねじりながら動いているため、最もストレスがかかっている箇所に痛みが出たり、軟骨がすり減ったりしてしまっています。
股関節を不要に内旋させて動いていることで、お尻が痛くなってしまう方もおられます。
さらに、着地する度に腰を持ち上げる歩き方により、体を側屈させる筋肉である腰方形筋が常に緊張し腰痛を引き起こしている方も。
右ひざ内側の痛みが取れた!だけど…
パーソナルレッスンコースを終了された方Yさん(50代)のお話しをご紹介します。
Yさんは、ずっと続いていた右膝の内側の痛みを何とかしたいということでレッスンを受講されました。
Yさんも、右脚に体重がかかる度に、股関節・膝関節・足関節でグルんとねじって歩かれていました。
初回レッスンで、脚のねじれ調整をし良いバランスの取り方で立って頂くと痛みが取れたため驚いておられました。
…が、膝の痛みがすぐに取れたことが凄いというお話ではありません。
こういったことは、珍しくはないからです。
問題は、ここからです。
『○○をやったら膝の痛みが取れた!』
という情報とは、ここまでのことなのです。
Yさんは、背骨にもねじれがあったので、そちらも変えていかないと真っすぐには歩けないため、数カ月は歩くと膝が痛む時がありました。
膝の痛みが出ることが無くなったのは、脚のねじれとともに背中のねじれも解消させる取り組みを生活の中で続けて頂いたからです。
脚のねじれについてと簡単なセルフケアはこちら
諦めていた腕の痛みも取れた!
膝の痛みが無くなったYさんなのですが、レッスン中に右腕を真横方向に上げて頂くと、「あ~この動きこの辺が痛くなるんです…」と、おっしゃいました。
この辺…と押さえられた箇所を拝見すると、肩関節を動かす筋肉「三角筋」の辺りでした。
ここで、三角筋の位置と作用についてお話しします。
三角筋の主な作用
・前部:肩関節の屈曲・内旋・水平内転
・中部:肩関節の外転
・後部:肩関節の伸展・外旋
腕を真横に上げる動作は肩関節の外転です。
この動きは、三角筋中部と棘上筋が連携しないとスムーズに作用しません。
棘上筋とは、腱板(ローテーターカフ)と呼ばれる肩にある4つのインナーマッスルの1つです。
腱板は非常に大切です。
腱板と姿勢・腕の動きとの関係について詳細は以下のページをご覧ください。
腕の痛みの原因は腕の使い方
真横に腕を上げると痛むのは、棘上筋が付着している肩甲骨と上腕骨頭とがズレてしまう動きをしているから。
40肩や50肩になったことがある方は、同じような動きをされていると私は思っています。
腕のねじれを取りつつ動きの修正をしていただいたところ痛みが取れたので、Yさんは凄く驚かれて、「この痛み、もう長いので諦めてたんです。」とおっしゃいました。
そう言えばYさんは、膝や足首や首の痛みについては伝えて下さっていたのに、三角筋周辺の痛みについては一度もお話しされたことがありませんでした。
それぐらい痛いことが当たり前で良くなることは無いと思われ、腕なので、立てなくなる・歩けなくなる…といった危機感を持つことが少ないため、年齢も年齢だしこんなもの…と片付けてしまっておられたようです。
でもその諦めていた痛みも動作のクセにより起きていたのです。
ところが!!
痛みが取れて万々歳!と思いきや、その後に行った脚の調整で腕を使った瞬間に、また良くない動きをしてしまわれ、肩のねじれが戻ってしまいました。
そのまま気づかずに良くない動きを続けたら、また腕の痛みはぶり返すことでしょう。
このように、頭ではわかっていても、生活の中で何度も良い動きを繰り返して体で覚えないと、クセはまた出てしまうのです。
下の写真は、料理をしている女性の写真です。
こちらの女性の場合、肩関節が内旋したまま包丁を握ってしまっているので、手首の方向が悪く、肩や腕に力が入り疲れやすいです。
こういった動作を毎日繰り返すことで背骨までねじれてしまうでのですよ。
Yさんのように、レッスンで背骨や肩・腕のねじれ取りをした直後であっても、ついついいつものクセで動いてしまうのはなぜかというと、肩関節で内旋させて腕を使っているとは全く感じておられないからです。
これが、方法に頼っていては根本改善には至らず頭打ちになってしまう理由で、方法が合わないとか、方法が悪いのではないということです。
そして、こうした腕の動きの勘違いも、膝の痛みの原因になってしまうのです!
腕のねじれについてと簡単なセルフケアはこちら
腕の使い方が膝の痛みの原因にも
Yさんは、肩甲骨と上腕骨頭の位置がズレてしまう動きをしていたため三角筋と棘上筋が連携せず、右腕を真横に上げると痛みが出ていました。
肩甲骨と上腕骨頭の位置がズレている時は、肩の外転の動作だけでなく、肩関節や肩甲骨が担うすべての動きが素直に行なわれない状態です。
肩関節が担うすべての動きとは、屈曲・伸展・内旋・外旋・外転・内転・水平屈曲・水平伸展の8パターンです。
肩関節を動かす筋肉は、肩甲骨・鎖骨・肋骨・背骨・骨盤・上腕骨に付着しています。
肩甲骨の作用は、内転・外転・挙上・下制・上方回旋・下方回旋の6パターンです。
※肩甲骨の内転・外転と、肩の内転・外転は、同じ名称ですが動きが異なります。
肩甲骨を動かす筋肉は、肩甲骨・後頭骨・背骨・鎖骨・肋骨・骨盤・上腕骨に付着しています。
肩や肩甲骨の動きは、肩周辺にとどまらず頭や骨盤にまで影響することがわかります。
また、背骨や骨盤には、脚に繋がる筋肉が付着しているので、全身のバランスが崩れてしまうのです。
右利き・左利きなどの利き手や利き足がありますし、取り組まれてきたお仕事や趣味・スポーツによっても、左右の腕や脚は対象には使われていないことがほとんどなので、左右対称に‥などもちろん無理なことですが
アンバランスさが強く出たまま過ごしていると、全身のバランスが崩れてしまうことは言うまでもありません。
バランスが崩れると、真っすぐに歩くことは困難になります。。
真っすぐに歩くことが困難な体で、なんとか真っすぐに歩こうとするから、体のどこかに負荷がかかり過ぎてしまうのです。
膝が痛む人はその負荷がかかっている箇所が膝だということです。
方法だけに頼らず生活動作に目を向けて
膝の痛みが無くなったとは言え、腕の使い方が良くないままで過ごしていると、また膝が痛くなる可能性がありますので、見過ごすことはできません。
Yさんに練習していただいたのは、まさしく生活動作!
多くの方が、体のどこかが悪いと、その箇所の筋肉を鍛えたり伸ばしたり、何らかの調整をするなど方法にばかり頼り、生活動作そのものを変えることをあまりしていません。
Yさんにお伝えしたのは、
キッチンでの包丁の使い方・ハンバーグなどこねる動きや、お手洗いでトイレットペーパーを引き出す動きです。
シートベルトの引っ張り方、右バージョン・左バージョンも練習したこともあります。
他にもPC作業を行う前の腕のセットもお伝えしました。
体作りに関係なさそうなちょっとした動きですが、こうしたちょっとした日常の動きの積み重ねが体を作っているのですよ。
Yさんには、腕の痛みも膝の痛みもぶり返さないように、長年続けてこられた動作のクセを忘れるぐらいに、生活動作を変えていっていただきたいと思っています。
これからの生活にとって貴重な財産
Yさんから頂いたメッセージをご紹介します。
1年間、大変お世話になりました。
初回の頃から、随分変わったことを体感しています。
当時はもう諦めなくてはならないのかなと思ってました^^;
でも、使い方を変えれば良いという事を学べて、本当に良かったです。
教えて下さったことは、私のこれからの生活にとって貴重な財産になりました。
今後も日常生活の中に取り込んで続けたいと思います。
また機会があれば、是非レッスンに参加させて頂きたいと思います。
本当にありがとうございました^^
自分の感覚が大事なことを実感
他にも、パーソナルレッスンコースを終了された方Sさんからもメッセージをいただきました。
私が感じている体作りで大切なことをとても理解して下さっています。
長きに渡りパーソナルレッスンありがとうございました。
自分の感覚が大事なこと、意識付けが大事なことを改めて実感しました。
Noriko先生に言われたことをただ行うのではなく、そのとき、自分の体がどんなふうになっているのか、どんな感じを受けているのか、自分の言葉で感じ再現してみることが大事なのだと強く思いました。
繰り返し私の捻じれを再現していただいたことで、視覚的にも、今までの捻じれがどうして起こったのかを理解でき、だからどうして行けば良いのか理解できるようになりました。
Noriko先生は当初からおっしゃっていたのだと思いますが、亀のような歩みの私はやっと分かるようになりました。
ありがとうございました。
『自分の体がどうなっているのかを知ること』
そのために受講生のお体の現状を紐解きご説明する時に、言葉だけではピンとこないと思われるので、
脚・腕・骨盤・背骨…と、受講生のお体の各箇所の捻じれを私の体で再現していく過程と、その結果である姿勢をお見せしています。
そして、その姿勢で動くとどんな動き(歩き方)になるのか、脱力するとどのように崩れるのかも再現しながら、受講生がお困りの不調が起きる理由をお話しします。
そうした再現が、Sさんのお役に立ち大変嬉しく思います!
60歳を過ぎた私の体が、レッスンのたびに良くない姿勢を真似ているのに悪くなっていかないのは、楽に立てるベストポジションを体で理解しておりすぐに元に戻せるからです。
これは、方法に頼らず感覚を磨く生活を続けてきた賜物。
自分にとっての正解を知っているので、これダメ・あれダメ・これイイ!・あれイイ!といった情報にも振り回されないのです。
幸せに生きるには、自分を知ることから…とよく聞きますが、楽で綺麗な体になるにも、自分を知ることから…です!
若干名様の募集ですが、自分を知ることを最優先にしたレッスンを行なっています。