足裏アーチが潰れてはダメ…という呪縛・情報に振り回されないために

お尻の位置が低い

パーソナルレッスン受講生のKさん(20代)のお話です。

Kさんは、お体の様々なお悩みがあり1年間のパーソナルレッスンコースを受講されました。

Kさんのお悩みの1つは「お尻の位置が低いこと」。

レッスン前のKさんは、背骨のねじれ脚のねじれがあったため、ビフォー写真の通り軸が取れていなくて、脚のラインがうねり、ヒップの丸みもあまりなく、仙骨あたりがペタンと平らになっていました。

お尻の筋肉が外側下方に引っ張られるバランスだったため、お尻の位置が低く見えてしまっていたのです。

踵が外側に倒れた回外足

Kさんの足は、踵が外側に倒れた回外足でした。

Kさんにとって、回外足を解消させることは、姿勢歩き方改善にも、ヒップの形をより良くするにも欠かせないことでした。

回外足は、足裏縦アーチが持ち上がるため、良い状態だと勘違いされることがありますが、足裏アーチが潰れた回内足同様、良い状態ではないのです。

足裏アーチが潰れてはダメ

ところがKさんは、足裏アーチが潰れてはいけないという思い込みで、今まで意識的に足の甲を体の外側に向けて(回外足になるように)立っておられたということが分かりました!

足裏アーチが低下した扁平足になると、姿勢歩き方が悪くなり不調や体型悪化を招いてしまうとよく言われているので、そうした情報により「足裏アーチが潰れてはダメ」との思い込みを持たれたのでしょう。

でも、その情報は間違いではありません。

ただ、間違いではない情報であっても、情報を拾った方のお体の現状や、その方の捉え方・取り組み方によっては、不健康に導いてしまうことがあるということなのです。

脚のねじれが、太ももが太い・お尻が大きいなど下半身太りの原因になるお話は以下の記事をご覧ください。

思い込みを外すって大事ですね

Kさんから頂いたメッセージの中にはこんなことが書かれていました。
思い込みを外すって大事ですね」と。

本当にそうです!
私は、初めて講座を受講される方に、「既にお持ちの知識や経験を一旦忘れてお受け取り下さい」とお願いすることがあるぐらいです。

自分では気づけない見た目の変化、癖のご指摘、いつも助かりました!

今回のレッスンでご指摘いただいた足も、お風呂で立っている時に意識を持っていったら、無意識に足の甲の部分を外側の方向に力を入れて立っていたことに気付きました!

内側に倒れてはいけないという思い込みがあったのかな、と思います。

だらんと足の力を抜くと、外側に引っ張りすぎていたものが元の位置に戻って、ぎゅっと踏ん張っていた指がふわっと浮いて、楽な感じになりました!

思い込みを外すって大事ですね…

思い込みでお体の状態を悪化させていた方は他にも…。

肩甲骨を寄せる・お尻を締める意識

肩甲骨を寄せる」「お尻を締める」意識をしていたという方は少なくありません。

これらは、私は正しくない情報だと捉えています。
なぜなら、力でコントロールしないと良い姿勢になれないことこそ問題だからです。

そうした意識を毎日続けることで、力が抜けない体を作り、呼吸の悪化も招いてしまいます。

上記の力でコントロールする意識を続けてきた方々は、それが習慣となっており、脱力したいと思っても無意識に力を込めてしまうので、姿勢改善に時間がかかってしまうのです。

これは、Kさんが無意識で足の甲を外に向けようとしていたことと同じことなのです。

ローリング歩行の意識

次に、ローリング歩行を常に意識していたとおっしゃる方もおられます。

ローリング歩行とは、踵①から着地し、そこから重心を小趾球②→母趾球③へと移し、母趾④で地面を蹴るという歩き方です。

こういった歩き方も意識するものではないと私は思っています。

結局はどのような姿勢で、どういった動きで歩き始めるかで、着地や重心のかけ方は決まってしまうからです。

例えば、骨盤がねじれたまま歩いている方の場合、バランス的に片側の足は母趾でうまく地面を捉えることができないので、母趾で地面を蹴る…と意識すると足首をねじってしまいます。

また、Kさんのような回外足の方が踵から小趾球に…と意識して歩くと外側に体重がかかり過ぎて下手をすると内反捻挫を引き起こしてしまいます。

さらに、踵着地の意識をし過ぎると、踵がストッパーになり前進の妨げとなってしまう場合もあります。

現に、これまでローリング歩行を常に意識してきたという受講生の方々は皆さん、脚の力が抜けないギクシャクした歩き方をされていました。

そして、やはり、その意識で歩くことが習慣となっていたので、クセとなってお体に染みついてしまっていました。

溢れる情報に振り回されないために

パーソナルレッスンでは、受講生のお体のどこがどのようなバランスでどんな方向にねじれているのか…そのねじれがお体にどう影響しお悩みの原因となってしまっているのか…を必ずお伝えしています。

それを知らないでいると、根本的な姿勢改善には至らず、力でコントロールする一時的な姿勢改善になってしまうので、毎レッスンと言ってよいほど繰り返しお伝えしています。

受講生の方々が、最も苦戦するのは何だと思われますか?

習慣化された動作のクセを改めることです。
受講生の方々がよくおっしゃる言葉は、「クセって恐ろしい^^;」です。

力で体をコントロールする悪しき習慣は、できるだけ早く手放しましょう!!!